岐阜県の「裏金問題」が新聞紙上を賑わしてる。
ここ数日は、梶原拓前知事が批判の的だ。もちろん、道義的に許される話ではない。しかし、彼が指示して裏金が作られたわけではなく、その前からの悪しき慣習だったのだ。つまり、知っていたんだけれども、見て見ぬふりをしていた。その監督責任を問われているということらしい。
梶原拓前知事は、弁説爽やかで、歯に衣をかけない本音トークで、多くのファンがいる。リーダーシップもあり、岐阜県の梶原というより、全国レベルでもリーダーシップを発揮していた。退職後も日本再生研究会の会長を務め、精力的に活動をされている。
彼の実績、人柄を考えると、今回の事件は残念でならない。
「見て見ぬふり」が、良いか悪いかを問えば、悪いだろう。「勇気をもって、悪習を諌めれば良かった」のであり、「それができる立場でもたぶんあった」だろう。と今、言うのはたやすい。
彼は知事就任時に、前副知事からこの話し「裏金」の事を聞く。この時に、全職員(あるいは幹部)を敵に回しても諌めるのか、「見て見ぬふり」をして、知事としてスムースに仕事をするのかと決断を迫られたはずだ。
あるいは、「申し送り」として受け入れるよう懇願されたと思われる。
この状況(就任早々)で、後者を選んだとしても、責められるだろうか。
彼はその後、4期に渡り、知事として素晴らしい実績をあげたが、この期間に16億円もの「裏金」が作られたのだ。
梶原が「裏金」に実際にどのように関わってきたのかは良く知らない。しかし、まさか、この判断ミスで、人生が否定されるような状況に陥るはめになるとは思っていなかっただろう。
しかし、
もっと、責められなければいけないのは、せっせと裏金を作り、しこたま「柳ガ瀬」で遊興していた現役の幹部やOBどもである。また、監査する仕事である監査機関が全く機能するどころか、一緒に「裏金」を隠してきた事実である。
この図々しい輩達を駆逐する必要があるはずだ。こいつらは、首にもならず、のうのうと嵐が過ぎるのを待っている。梶原前知事が矢面に立つ今の状況も、「しめしめ」と思ってるに違い無い。糾弾の鉾先を自分達に向けさせたくないはずだ。結果、「生け贄」として数人が糾弾され、ほとんどの実行犯が、僅かな処分で幕引きを狙う。反省のかけらも無く、さらなる巧妙な「裏金づくり」に取り組むだろう。
もっと言えば、こんな酷いことをしても、首にならない公務員のシステムにメスをいれねばならないと思う。いかに公務員が優遇され、特権をもち、甘い汁を吸っているのかを糾弾するべきなのだ。
では何故、「裏金」が必要なのか?
「官官接待」つまり、補助金を握る国の役人を接待し、有利に運ぶために、「裏金」が必要だという側面がある。これは、地方に財源を委譲し、小さな政府という議論に繋がる。地方分権論だ。
また、必要以上に接待費を認めぬ仕組みも見直しが必要かも知れない。表の仕組みが厳しいと裏を作るのが人間の性だという議論もあるだろう。国の役人を接待せねば、スムースに補助金が出ず、ひいては県民の為にならないという「へ理屈」が出そうだ。接待で公金は使えないから、仕方なく「裏金」が必要であるという「必要悪」説である。表の接待費の幅を持たすことももう一度、考えるべきである。
また、彼等は、県の公共事業を民間に委託する場合、発注者側となり逆に接待される側になる。
県の予算は、年度予算であり、4月から翌年3月までの1年間の予算で運営する。予算折衝から始まり1年間で予算を消化する。従って、年度末の数カ月は予算の調整期間となる。予算を余らせた部署は、次年度の予算要求の為にも、余らせるわけにはいかない。つまりどうでも良いような物や事業にでも、予算を使い、何が何でも予算を使い切る立場になるのだ。そこに、気心の通じた業者が甘い汁を吸う余地が生まれる。
ズバリ言えば、過大請求で、バックさせる一番単純な「裏技」がそこで発生する。業者は、口止め料を含む利益を得る事ができ、連帯責任を持つことで、信頼を得る。つまり、なあなあの癒着関係が生まれる。そして、筋書きのある「談合」が始まる。
もう一つの「裏金づくり」の方法は、経費である。自分達で決済する経費は、民間と比べれば、考えられないほど甘い。領収書さえ、無くてもまかり通るには周知の事実である。架空の出張、経費でいくらでも「裏金」はできるのだ。
県庁内では、いかに多額の「裏金」を作り、上納する担当者が「できる人間」として評価され、出世するのである。このような悪習は、岐阜県に限らず、全国津々浦々、多かれ少なかれ、存在する。
今回の事件で、ほとんどの人は、「運が悪かったね。」とか、「意図的なチクリだ。」と腹の中では思ってる。
岐阜県庁の当事者も、本当に罪悪感を持ってるだろうか?
「運が悪かった。」「早くほとぼりが覚めろ。」と思っているにちがいないのだ。
せめて、「裏金返還」を「裏金」で作るなんて事のないように祈るばかりだ。{/face_ikari/}{/face_ikari/}
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